彼と彼女のヒミツな関係♪


「あたしの高校の入学式に来てくれたんだよね。いいって言ったのにさ」

「ふふ。おじいちゃんもおばあちゃんも凄く楽しみにしてたのよ」

「どうして?」

「高校生っていうのはあの二人にとっては特別なものなのよ」


特別?

何が?

あたしにとっては普通な事なのに..


あたしの不思議そうな顔を見たママが、もう一度クスッと笑ってから


「心はママの産まれた時の話、教えたかしら?」


ママの産まれた時..

それならあたしはもう何度も聞かされてた。

こくんと頷いて話してくれたことを思い出す。



確かママが産まれた時、おじいちゃんとおばあちゃんは高校生で。


きちんと二人で卒業するっていう、おばあちゃんのパパとママからのお願いで
学校には秘密でママを育てた。

もちろん、それは絶対に誰も言っちゃいけない事で。

一番近くにいた人達にも話す事は出来なかった。


おばあちゃん言ってたもん、

友達に話す事が出来なかったのが一番苦しくて辛かったって。


そして最後には二人の秘密はバレて、他の学校でもう一度三年生をしたんだ。


「そっか、パパとママにとって高校っていうところがすごく大事な存在なんだね」

「そうよ、あの二人にとって学校というのは特別だった。特におばあちゃんなんて
学校に行くことを諦めていたくらいだしね」

「そっか..だから二人は..ねぇ今度は長い間一緒にいられる?」

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