彼と彼女のヒミツな関係♪


こうして一緒に歩くのは久しぶりで

懐かしい気持ちになる。



「父さんは元気にしてるのか?」

「うん」

「そうか」


母さんが死んだ時、父さんは本当に悲しみのどん底にいた。


そしてそれから三人で頑張って来たんだ。


兄さんと、僕と、父さんと三人で。



「蓮お前嘘をついてるな」

何をいきなり言い出すのか、兄さんはクスッと笑いながら
僕の頭をポンポンと二回撫でた。


「嘘なんて、付いてないよ」


「お前は嘘が下手だからな」


何でもお見通しなんだよ、っていう顔。


そっか、兄さんに嘘は通用しないんだな。

だけど、これは僕の問題なんだ。

誰にも相談なんか出来ない。


「何でもないんだ」


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