ずっと…
「俺、まおの過去の話とか聞いてて、なんかすごい守りたくなって…まおの笑顔とか見てると落ち着くし、だからこんな俺だけど付き合ってください」
そう言って差し出してきた手を
迷いなくあたしは握った
するとじゅんじゅんは
顔を上げてあたしを見つめて
そんなじゅんじゅんにあたしは笑いかけた
「こんなあたしだけどよろしくお願いします」
そう言うと
じゅんじゅんは一気に笑顔になって
やったーって叫んで
あたしはすぐ美鈴に電話
『どうだった?!』
「無事、付き合いましたぁ!」
『やったじゃあん!おめでとう!』
あたしは嬉しくて
ありがとう
そう美鈴に言った
『ちゅーは?』
「え?」
『ちゅーしろよちゅー』
美鈴に言われて二人とも固まった
そしたらじゅんじゅんがあたしの上に身を乗り出して
「え、するん?」
「する振りだけだよ」
テレビ電話で繋がってるからうちらの行動は
美鈴から丸見え
『ふぅー!!しちゃえしちゃえ!!』
だんだん顔が近づいて来て
テンパったあたしは思わず自分からしてしまった
「ちょ、あぁあ!!!」
『キスしたぁ、うえぇいぁ!!』
馬鹿みたいにテンションの高い美鈴と
お楽しみを取っておきたかったじゅんじゅんの雄叫びが
夜の空に響いた
『もうやっちゃえ』
「馬鹿じゃないのお前」
じゅんじゅんが冷静に突っ込んで
それでも美鈴の暴走は止まらない
『アオカンだアオカンはひゃあ!』
馬鹿みたいに爆笑しながらいい続ける美鈴と
困り果てるじゅんじゅん
その格闘はあたしの携帯の電池が無くなるまで
続いていた
ようやく終わったと思ったら
「はぁ疲れた…、家行こっか」
「…はい」
ついに来ましたじゅんじゅんの家訪問
緊張して
『ハイ』
なんてあたしらしくない
手を繋がれ
公園からすぐそこのオートロックのマンションをじゅんじゅんが開け
じゅんじゅんの家の玄関前まで行った