《短》再スタートは君と
「ほら、早く帰ろうぜ」
「やだ…」
顔上げたくない。
「お前のぶっさいくな泣き顔みて笑ってやっから」
「…」
「いやな気持ちもぶっ飛ばしてやる。だから、帰ろうぜ」
私を引きずり起こして、奴は私のカバンを持ってくれた。
「帰りにコンビニ寄ろうぜ」
「……」
「お前の好きないちごオレ飲もうぜ」
「…あんたの奢りならね」
「…はいはい」
別に、嬉しくなんか…。
ないんだから。
ただ、今は。
あんたのこととあんたが奢ってくれるだろういちごオレのことで頭をいっぱいにしてくれたことには。
感謝してる。
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