もじ♡こい (完)
いつものパチンコ屋。

鼓膜につくような大音量の音楽。

何で遊ぼうかと1つ1つのシマとデータを確認する。

「初めはデジるかなぁ~」

そう思いデジ羽根のシマで好きな台の空き台を見つけ座る。

週末だけあって店内はそれなりに賑わいをみせてる。

手馴れてお金を投入し玉を出す。

「早めに当たれよ~」

そんな事を思いながらしばしパチンコを楽しむ私。。。

台に座って20~30分した頃。

私は後ろから殺気を感じた。

昔感じたあの殺気。

3~4年前にも感じたあの殺気。

殺気と共に憎しみも込み上げる。

「あれ~?アゲちゃんじゃん?こんなとこで奇遇ですね~」

気持ち悪い声が私を取り巻く。

アイツだ。

倒しに行っても返り討ちにされたアイツ。

私の大事なモノを奪ったアイツ。

「何~?1人?用心棒は居ないの~?」

そう言いながら私の隣の空き台に座るアイツ。

「ねぇ~。アゲちゃん。俺と遊ぼうか?」

口にガムを含んでいるのかクチャクチャと目障りな音を出して話しかけてくるアイツ。

私の敵。

一生敵。

私はコイツを一生許さない。

私はアイツの胸元を掴んで

「ふざけんじゃねーよ!!相手して欲しけりゃしてやろうか!!」

「アゲちゃ~ん。こんなとこでイキガンナヨ!!」

ふと周りを見ると冷ややかな目で私を見る客。

「店員呼ぼうか」と騒ぐおばさん。

店の中はヤバイな。。。

「アゲちゃん。お外で遊ぼうか!!」

アイツはそう言い私の肩を掴んで席を立たせる。

「汚ねー手でさわんじゃねーよ!!」

アイツの手を思いっきり振りほどいた。

「相変わらず威勢はいいねぇ~」

私は少しでも人目に付かない様に駐車場の奥まで進む。

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