旅人

賭け

空が白々として来た。

そして目の前に太陽が顔を出して来た。

沈み行く月
昇り来る日

こんな朝は今迄何度迎えたか。


雲一つ無い青い空が俺の目に飛び込んで来る。


今日も暑く成るのかな?


俺はそう思いながら、歩を進めた。


しばらく歩いていると、何だか少し涼しく成って来た。


風が冷たい。


そう思った瞬間、俺の左側から吹く風がイキナリ強く成った。


流石の俺でも寒さを感じて、着ている外套の襟を立てて寒さを凌いだ。



どれ位俺は外套の襟を掴んで、寒さを凌いだだろう?

暫くすると強風は、今迄の出来事が嘘の様に止んだ。



ふぅ〜っ。


溜め息とも付かない息を、俺は吹いた。



強い風で体温を奪われた俺は寒さを感じていたが、今度は今迄の天気から信じられぬ事が起きた。



暑い!!


今度は太陽が、ギラギラと俺の身体と地面に照り付けた


これは堪らない!!


そう云うと否や
俺はさっき迄襟を立てて着ていた外套を、とっさに脱いだ。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop