恋の敵
おまけ
「なぁ、強敵って誰?」
あいつは興味津々に聞いてきた。
「教えるか、アホ」
「アホってなんよ!?てか、やっぱり星座占いって当たるんやなぁ」
さっきとは打って変わって、悲しそうな表情のあいつ。
「は?」
こいつにも、敵が現れたんだろうか。
「紗織ちゃんがな、坂上のこと好きやねんて」
「……」
「はぁ〜あ」
俺は改めてこいつのアホさを知らされた。
こいつ……自分が遠回しに告白してること、気づいてないのか。
「……お前、アホやろ」
「な、なにが?」
やっぱりこいつは相当なアホだ。
「……紗織ちゃんって奴がお前の敵やったら、お前は俺のことが好きってことになるけど?」
俺は自分で言いながら、恥ずかしくなった。
「……っ!やっ、あのっ、そのっ、だから、えーっと……」
一気に赤くなる彼女を見て、俺は少しニヤけてしまう。
「5位って良い順位かもしれへんな」
俺はそう言うと、友達と楽しそうに話している佐野の背中に向かって、満面の笑みを返してやった。
end☆