先生とあたしのヒミツなその後♪
「おめでとう!」
家に帰るとお父さんとお母さんが笑顔で出迎えてくれた。
「あれ、何で?」
伝えたのはお母さんだけのはずなのに。
ギロリと睨むと
「えへへ。だって~」
ばつが悪そうな顔であたしを見る。
「もう!」
あたしの口から直接言おうと思ったのに。
「でも、おめでとう」
お父さんが優しくあたしを抱きしめてくれる。
「ありがとう、お父さん」
「花」
お父さんに負けないようにあたしも力強く抱きしめ返す。
「あー!ずるい!!」
お母さんも間に入ってきてあたしとお父さんを同時に抱きしめる。
「あたしね、生まれて来て本当によかったのかって思った事があったの」
「花ちゃん」
「でも、今は本当に感謝してるの。
あたしを産んでくれて本当にありがとうって。」
「こちらこそ感謝をするのは私達の方なんだよ?」
「え?」
「花ちゃん。」
「花。俺達は花に感謝をしているんだ。」
「あなたがこの世に生まれて来てくれた事、
それだけでも何度感謝したか分からないわ」
「お母さん」
「たまには喧嘩したり、言い合いになったりはしたけれど。
でもね。花を産まなければよかったなんて、
そんな事一度も思ったことはないの」
お母さんの瞳からは涙が溢れている。
お父さんも穏やかな顔であたしの頭をなでる。
小さい時から大好きだったその手で。
「そして今、あなたはこうしてママになろうとしている」
「命を受け継いでいる」
「花ちゃん、生まれて来てくれて本当にありがとう」
「花、俺達の娘に生まれてくれて本当にありがとう」