先生とあたしのヒミツなその後♪
本当は心のどこかで
そんな事ないって思っていた。
運命の人なんて
運命なんて実際にないものなんだって。
歳をとるごとにそう思ってくるようになった。
でも
先生はあたしの前に現れてくれた。
あの時と変わらない
少しぎこちない顔をして
優しく
あたしを抱きしめてくれた。
それから先生とは正式にお付き合いしている。
もちろん、結婚を前提として。
「何を考えているんだ」
今度は先生があたしを見下ろして聞いてくる。
「いいえ、少しだけ昔を思い出してたの」
「昔?」
「うん。あたし達、本当にまた会えたんだなって」
ぎゅっと
さっきよりも彼の腕に強く抱きついた。
だって離してしまったら
また先生が何処かに行ってしまいそう
そう思ってしまったから。
「どうかしたのか」
あ、やばい
慌てて彼の腕から離れて
「すみません、力強かった?」
謝罪を入れる。
「いや」
あたしってば何余計な事を考えてるのよ。