先生とあたしのヒミツなその後♪


「あ、あたしこそ。本当にありがとう」


お父さんとお母さんのせいだ。

お母さんが泣くから。

お父さんがいつも以上にあたしの頭を撫でてくれるから。



だからあたしまで・・


涙が止まらないじゃない。




三人で抱き合っていると



プルルルル!!



電話が激しく鳴り響いた。



「誰よ~家族の時間を壊す人は!」


お母さんがあたしから離れて電話を取り出す。


「もしもし、青山です。・・あら、黒崎先生?」


電話の相手はどうやら黒崎先生らしい。

「え、花?ちょっと待って下さいね」

お母さんがあたしに笑顔で電話を差し出すとそれを受け取り
電話に出た。


「もしもし。先生ですか」

「何があったんだ?」

ほら、絶対にそう言われると思ったよ。

今日の休んだ理由をまだ言ってないから。


でもこれだけは絶対にちゃんと目の前で伝えたい。


そう思うから


「か、風邪引いてしまって。でも明日には学校に行けると思います」


何とかごまかした。


普段だったら絶対にごまかしなんかきかない人だけど。

でも電話だったからか

「そうか。分かった」

簡単にそう言ってくれた。


明日伝えるの楽しみだななんて思いながら


「それじゃあまた明日」


電話を切った。



< 30 / 67 >

この作品をシェア

pagetop