先生とあたしのヒミツなその後♪
先生とあたしの結婚
カレンダーも新しいものに変わって数ヵ月後。
暦の上では春らしいけど、まだまだ寒さが残る今の時期、
誰ひとりコートを手放す事はなく、道を歩く人々は
コートの襟を立てながら寒さに耐えて歩いている。
あたしが妊娠を確認した日に初めて降った雪は、その後降ったり止んだりを
繰り返していた。
昨日まではあまりいい天気とまではいかないけれど
それでも雪は降っていなかったのに
今朝早くからまたしんしんと降り積もっている。
ただ、白い綺麗な結晶も、
積もればそれはそれで嫌なものもあり・・
「電車止まってるみたいだよ」
せっかく切符を買ったのに、残念ながら小田急線は運行ストップ状態。
都会に続く唯一の交通手段を断たれてしまったあたしと先生は
電子案内板を見ながらため息をついた。
「仕方ない、今日は諦めるか」
電車がダメなら、バスを使うしかないわけだけど。
ゆっくりだけど、でも確実に大きくなりつつあるこのお腹で
満員のバスに乗る事はかなり難しい。
「ごめんなさい」
せっかくの日曜日、二人で買い物に行こうとしていたのに。
「気にするな。また別の日にすればいい」
くるりと反対を向いて駅を出て行く。