先生とあたしのヒミツなその後♪


家を出る時には必ず生まれるかどうかの確認をしてくる。


確かに臨月に入ったからって


いくらなんでもせかしすぎでしょ?


でもこんな彼を見るのも新鮮で

嬉しかったりする。



心からこの子が生まれてくるのが楽しみなんだって


そういう気持ちが伝わってくるから


「いいか。もし生まれそうになったら」


これももう、臨月に入って何回、何十回聞いたか分からない。


「はいはい、分かってます」


何度も頷いて心得てる事を示すけど


「本当に分かっているのか?」


・・・ここまできたら小姑みたいじゃない?


「大丈夫よ。花にはあたしが付いてるんだから」


任せてと胸を大きく叩いてアピールするお母さん。


「・・お願いします」


お辞儀をしてから玄関のドアを開けて学校へと向かった。







裕也さんが出て行った後


「裕也くんも心配してるのよ?」


お母さんが笑顔であたしの肩を叩く。



分かってるよ。


十分ね?


「はい」

「でも、想と一緒ね」


え?

「お父さんもああだったの?」





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