【短】愛鍵。
廊下を少し歩いたところでミユがくるっと笑顔で振り向いた。


「紗代!彼氏と仲直りしたんでしょ?」


とても嬉しそうにいうミユはまるで自分の事のように笑っていた。

ミユ・・・心配してくれていたんだ。


あたしのこと、ちゃんと考えていてくれたんだ。


『・・・えへへ』


まこちゃんとの事が嬉しくて。

ミユの気持ちが嬉しくて照れくさくて。


照れ隠しのように笑うとミユがニヤニヤと笑った。


「良かったね」


そういってくれた。


あたしは思わず涙があふれた。


ありがとう、ミユ。







―――放課後


「じゃ、紗代!ばいばい!お幸せにね♪」


『も~っ。なに言ってんのさっ!』


ミユに今日の放課後まこちゃんと会う事を伝えると「プロポーズ?」と笑った。


ミユも彼氏と仲良しそうに腕を組んで歩いていた。

・・・あ。


あたしの頭の中に忘れていた場面が浮かび上がった。


そういえば、まこちゃんも女の人と腕を組んで仲良しそうに歩いていたっけ?

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