【短】愛鍵。
ふぅっ、たくさん歌ってスッキリ!


ぼすんと音を立てて座り、テーブルの上のオレンジジュースに手を伸ばす。


「紗代ちゃんってさ、歌上手いんだね」


!?

いきなり、隣の男子から話しかけられ口の中のジュースをふき出してしまいそうになる。

ていうか、いきなるい呼び捨て?


隣に座る男子の顔はよく見かけはするけど、名前が分からない。


『・・ありがと』


ほめてくれたわけだし、一応お礼を言っておく。

すると男の子はますますあたしとの距離を近づけてきた。


「紗代ちゃんってさ普段あんまりこうゆうのに参加しないよね?塾とか?」


『彼氏の夕食作るから』


見た目からしてかなり軽そうなイメージの彼にそっけなく返事をする。


それでも彼は引き下がらず、それどころかますます近づいてくる。


「えっ、紗代ちゃん彼氏いるんだ!しかも夕食作るとか、いいなあ~。つくしてくれる彼女、って感じ?」
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