蒼いキズ
健一のタバコをジーンズから出す仕草、また、それがくしゃくしゃになった赤いマルボロで、顔も結構2枚目的なところがあるので、どことなくハリウッドスターみたいにカッコイィ感じがして、ひそかにコウタは、嫉妬とゆうか、憧れていた。


健一本人は、意識してそういう仕草しておらず、それがかえって自然的でよりカッコよく見えるのかもしれない。


「一応、1日10枚は書いてるけど」

「例のコンテストだろう?」

「そう」

「やっばりコウタも出しているんだ?」

「一応」
「でも全然だめ」

「この間、大江が通ったらしいよ」

「大江ってC組のパンクしている奴?」

「そうそう」

「どんな感じの絵書いてるいる?」

「結構シャープで布を捻ったっぽい服らしいよ
「へぇー」


そのコンテストは、出版社が主催し、「ギャルソン」というファション雑誌で応募している。入選すると自分のデザインし、作った服が審査員の論評と共に顔写真入りで載ることになる。


月々4体が撰ばれ、年に1回その中でファッションショー形式でグランプリが決まる。
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