幾千の夜を越え
神の落とし子とは的を得た例えで

実際、
手にした特異な力は人の物からは遠く欠け離れ相殺する為には…、互角の力を持って成す筈だ。

自己に覚醒しきれない左近には…荷が重く役不足。

故に、
尊を傍に置いておきたかった。

尊という宝を
右近と左近の二者で守って居る。

それは表向きで…。

実際には右近と左近の二者の均衡を保っているのが尊なのだ。

尊が氏神として崇められる必要はあるのか?

尊が普通に村の娘だったなら何が変わるというのか?

尊とは氏子を統括しその信仰心を煽る象徴的存在。

何よりも清い純真無垢な娘。

現世…
左山は尊に出逢って直ぐに告った

実際には尊は葵だったわけで
影武者の太蔵丸だった茜に告ったわけなんだが…。

つまり、
前世が現世に引き継がれてると
考えるなら左近も同様に尊に…
間違いなく惹かれている!

右近は…気付いているだろう。

1人の女を奪い合う
力の均衡した2人の男。

尊が尊で居なければならなかったのは俺達に手を出させない様に。

尊が氏神として崇められている間は氏子さえも俺達の見張りだったという訳だったんだ。

尊への信仰心が薄らいだ今や
見張りの目が届かなくなった。

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