幾千の夜を越え
何百年の先の話になるのだろう。
右近の力が暴走し荒れた土地は、その姿を潜め緑に囲まれている。
丁度、彼等が絶命した場所には、湖とも沼とも池とも呼べない程の清んだ水が溜まって日の光を受けキラキラと反射させている。
聞き慣れない獣らしき鳴き声はするものの見たところ人の姿は無く右近や左近でさえも見えない。
水溜まりには時折、小さな気泡が浮かんでいた。
清んでいても微生物ぐらい居るのだろうと思いぼんやりと見続る。
その気泡の速度が速まっていっていることに気付くまでに時間は、掛からなかった。
ぼこぼこと燃えたぎる湯の如く、弾けその色が赤く変色していく。
真っ赤な鮮血の血溜まりから1人の赤子が這い出した。
完全に姿を現した赤子の下には、何処に在ったのかも解らない程に血溜まりは消え去っている。
それが次代の右近なのだと直感が告げていた。
右近…右神1人だ。
未だ小さな赤子である右神は、
小さな手をその地に叩きつけ、
繰り返し繰り返し打ち付け…、
その掌を血で染めあげ流血で再び血溜まりを作った。
右神が偶々手にした石に血で滲む指先を押し当て自らの血で作った血溜まりに放り込む。
右近の力が暴走し荒れた土地は、その姿を潜め緑に囲まれている。
丁度、彼等が絶命した場所には、湖とも沼とも池とも呼べない程の清んだ水が溜まって日の光を受けキラキラと反射させている。
聞き慣れない獣らしき鳴き声はするものの見たところ人の姿は無く右近や左近でさえも見えない。
水溜まりには時折、小さな気泡が浮かんでいた。
清んでいても微生物ぐらい居るのだろうと思いぼんやりと見続る。
その気泡の速度が速まっていっていることに気付くまでに時間は、掛からなかった。
ぼこぼこと燃えたぎる湯の如く、弾けその色が赤く変色していく。
真っ赤な鮮血の血溜まりから1人の赤子が這い出した。
完全に姿を現した赤子の下には、何処に在ったのかも解らない程に血溜まりは消え去っている。
それが次代の右近なのだと直感が告げていた。
右近…右神1人だ。
未だ小さな赤子である右神は、
小さな手をその地に叩きつけ、
繰り返し繰り返し打ち付け…、
その掌を血で染めあげ流血で再び血溜まりを作った。
右神が偶々手にした石に血で滲む指先を押し当て自らの血で作った血溜まりに放り込む。