幾千の夜を越え
だが、
右近と尊の間に遇ったことから…転生してきた俺と葵が前世の記憶を持たないことから推察した。

「漸く辿り着いたか」

「だから葵を俺に預けたのか?」

葵の中に2人の前世が封印されてるから右近は葵に手を出せずに、唯…葵の幸せを願い見守り続けて

俺が葵の危険を察知出来たのは、右近の潜在能力からだった。

右近は…尊の過去の記憶を呼び覚まさせたくなかった。

傷付く尊を見たくなかったんだ。

「それは右近の言い分だからな。父神しろ女神しろ役割を果たして貰わなきゃ困る連中がいる…。
無意識に力を求める一方で右近の心痛も感じ慎輔は辛かっただろ」

よく耐えたと誉める様に
ぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜる。

その瞬間、
全ての苦労が報われ背負い込んだ荷が下ろされた気がした。

「記憶がなくても力を封じたままでもお前はよく葵を守ったよ」

その手を振り払いもせずに
為すがままにされてた。

「葵はまだ狙われるのか?」

「最初に言ったろ?
現世に俺は存在するんだ…。
もう二度と裂目は出来ない!」

右近の役目が終わった。

奴はそれを伝える為に俺を待って居たのだろうか?

神亡の村に1人取り残された俺は奴の存在を考えていた。

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