幾千の夜を越え
可愛い顔でぎゅっと抱き付いてきたから…。

そうだよ、
ディープを許した後のそれなら、普通は芽生えたと覚悟出来たと…思うよな?

それを…

「聞いとるんか?」

「元々が尊なんだ…」

「あっ?」

葵に…不純異性交遊なんて知識があるはずがないんだ。

あのおじさんにしても…住職が
尊に色々教えるなんて有り得ん。

「せや尊って云えば…双子ちゅうねぇちゃんなんやえらい呆けっとしとんな?」

無言で左山を睨む。

左山と茜はどうなんだ?

「尊がしっかりしてはるから比べちゃ可哀想ちゅうもんやけどな」

茜はどうなんだろ?

「否、アイツは友達辺りが…」

そうだよ!
葵も男はヌク者だって聞いてきたことがあったじゃねぇか。

比べるのかとも聞いてきた。

本当は興味あんだよ…。

「尊の友達ちゅうんはあれやろ?部活仲間ちゅう連中のことやな」

興味より恐怖心の方が強いのか?

「相当…痛いからな」

俺にはない器官だがつい想像してしまい下半身に力が入る。

「痛い?まさか右近…」

立ち上がる勢いに任せ両手で机を叩きつける。

襟元を掴まれたと同時に引き寄せられ顔が近距離に近付く。

と、

「きゃ〜♪
右川君と左山君のラブシーンよ」

一斉に黄色い声に囲まれた。

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