幾千の夜を越え
悶々としたモノを抱えたまま
向かえる週末。

「くそっ!」

あの日、左山が暴走したお陰で
すっかり俺達はBLファンの餌食にされていた。

葵以外の女からどう思われようと構わないさ。

唯、
何気に葵にさえ避けられている。

それはまあ…
もう少し前からだったが。

実質、
あの告った日以来まともに会ってねぇんだよな…。

なまじディープな感触を味わった分だけ質が悪かった。

「くそっ!」

何度目かの暴言を吐いた後、

グラビアに手を伸ばしパラパラと捲っていく。

「あぁ…もう、くそっ!」

反応しない苛立ちに
雑誌を投げ付けた。

「びっくりした」

「ぅわあ」

2人の声が重なる。

その手には俺の投げ付けた雑誌…

「何回チャイム鳴らしても出ないから入って来ちゃった…」

「うん…」

その手に収まったままの雑誌を
なんとか捕獲しようと視線が泳ぎ

「明日は土曜日だから…」

「うん…」

空返事を繰り返す。

「泊まっても良い?」

「うん…えっ」

「だめぇ?」

「いやいや」

それはどういう意味だ?

イヤ…
多分、生き地獄…。

何でだ?
俺はまだ天罰を受ける筋合いは
ねぇはずだろ!

一度で良い…。
そしたら天罰でも受ける。

頼むよ神様!

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