幾千の夜を越え
しっかりと食わえ込む其処は
充分に潤って滴っている。

「葵…」

乱れた呼吸ごと唇で覆い口内へと潜り舌先で押し込んだ。

尊…御免。
尊も右近に会いたかったよな?

葵の喉が飲み込んだことを教え。

これで永遠に尊と別れた。

でもこの先は尊じゃ駄目なんだ…俺は葵じゃなきゃ入れない。

葵の足首を持ち上げる。

「ダメ!こんなの恥ずかしい」

慌てふためく彼女は何処からどう見ても葵そのもので…。

「何で?」

「やっ!こんなのカッコ悪い!」

掴まれた足でバタバタと暴れる。

カッコ悪いって…
恥ずかしいポイントそこかよ?

ああもう…全身が愛しくて
直ぐにでも繋がりたかったけど。

「少し黙ってろ!ってか口聞けなくしてやる」

葵に顔を埋め舌を這わせる。

ジュルッニュルッ…と水音響かせ深く引き込んでいく彼女に何度も吸い付く。

「っ…っ…」

俺自身を深く沈めていった。

「ごめん…葵…痛くして」

「大丈夫…慎ちゃん…」

右近が、
入ってくる。

俺の中に。

もう充分理解してるつもりだった右近が俺自身と一つに重なる。

無我夢中で余裕なんてなくて…
こんな感覚は初めてだった。

真っ白に意識が飛ばされ
心地好い脱力感に見舞われた…。

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