幾千の夜を越え
俺は女を鳴かせるが、

泣かれんのも、
困らせんのも、

趣味じゃねぇ…。

「…唯の人物画なら…

黙視に堪えずの呟きを受け、

「そうか右川やってくれるか」

逸速くヤツが反応し、

「良かったな?右川受けるって」

部長の女に流した。

「はい。先生のお陰です」

俺のお陰だろ?
ソイツは何もしてねぇし…。

「俺も楽しみだが、
女生徒は群がるだろうな。
右川の裸体に…」

はい?
裸体画は却下したはず…。

「俺は脱がねぇよ?」

脱ぐ訳ねぇだろ。
常識で考えろよ。

「何女みたいなこと言ってんだ?減るもんじゃねぇだろ?」

そうゆう問題かよ?
大体テメェマジに教師か?

「生徒にんなもん勧めんな」

気味悪ぃ笑みを
浮かべたと思い気や

俺を囲うライオンを掻き分け、
プライドに侵入したヤツは

俺の肩に手を回し、
囁く。

「自信ねぇか?色男も所詮高校生お兄さんには負けるよな?」

眉間に皺を寄せる俺を、

「身長は…比例しねぇもんな?」

更に煽り、

「それとも何か?
見られて興奮するか?
そりゃ見せらんねぇよな?」

挑発しやがった。

「テメェ…ザケたこと吐かしてんじゃねぇよ」

鼻で笑い。
腕を戻すと、

「そうか右川、出来を楽しみにしてるぞ?」

教師の顔に戻り、

「右川が裸体画受けるそうだ」

雌ライオン共を見渡す。

再び上がる黄色い声の中、

「公衆の面前にふさわしいモノを描いてもらえよ?」

不適に笑いやがった。

又、ハメられた…。
ヤツは天然の策士だ…。

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