幾千の夜を越え
モデルの仕事も慣れか…
放課後の美術室に通い始めて、

一週間

「断食二週間…」

呟く声をキャッチし、

「断食してるの?」

小悪魔気取りが話し掛けてくる。

「まぁな…」

適当に受け流すが、

「お腹減ってるの?」

科を作り近付いて来やがった。

「空いてるけど、
食いたいのは…手に入らねぇもんだしな」

勝手に太股に触ってんじゃねぇよ

「代替品でも食べてみれば?」

嫌味にならねぇように、
その手を取り軽く握ってから外す

「代替品ねぇ…あんのか?
んなもんねぇだろ?」

前屈みになってから、
顔を覗かせ、

「なってもいいよ?」

微笑み掛ける。

躰だけなら…。
乳はデカくはねぇが…。

やっぱ駄目だな。
反応がねぇ…。
俺はマジにヤベェかも?

「此から全裸になるモデルを、
からかってんじゃねぇよ」

嬉しそうにハシャギ出し、

「それって、
私に興奮してくれたってこと?」

顔を寄せる。

男に色情されたことの何がんなに嬉しいのか?

相手次第じゃ、
キモイ…変態…って
修復不可能な傷与える
暴言浴びせんだろうに。

人も集まり、

「右川君お願いします」

部長の合図に、

「あっ…右川君今はちょっと」

小悪魔気取りが焦り出す。

何がちょっとだ…。

目の前で脱ぎ始めると、
視線が釘付けになってやがる…。

それが女かよ?

台座でポーズを作り、

「描かねぇの?」

声を掛けると、

現実に還り準備を始めた。

腹減ったな〜
最近まともな飯食ってねぇし…。

葵の飯食いてぇな…。

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