幾千の夜を越え
コンビニ弁当を、
無意味に広く物がねぇ…
リビングのローテーブル に拡げる。

生活感といやぁ、
この数日間に食った弁当のゴミ…

ハウスクリーニングは週一
次に来んのは…


メール受信に、
箸も止めずに携帯を開き、

From 茜
sub NO Title
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ちょっと慎輔
葵に何したのよ
毎日泣き通しで
最近なんかご飯もろくに食べないんだから
何でもいいからとにかく
謝りなさいよ
_________

溜め息を吐いて、
携帯を閉じた。

葵と旧校舎の廊下で別れてから、一週間以上か…。

そっから、
飯食わなくなったとすりゃ
そろそろヤベェよな…。

けど、
ここでまた俺が折れりゃ…
振り出しに戻るだけだ。

あの行き場のねぇ、
熱情を押し込め

身動きさえ取れねぇ、
柵ん中に

戻れってのか?

もう無理なんだよ。

一度解放しちまった激情は

身を焦がすだけだ。

後は流されるだけ。

戻すなんて出来ねぇんだよ。

葵…。

お前の思いには答えらんねぇ。

幼馴染みの英雄なんかじゃ
いられねぇ。

いつも優しくなんて
出来ねぇ。
いつも正しくなんて
出来ねぇ。
いつも笑顔でなんて
出来ねぇ。

ガキのヒーローごっこには
付き合ってらんねぇ。

なぁ葵…
いい加減気付いてくれよ。

俺達はもう、
そんな時代に来ちまったんだよ。

でも…。

俺はいつも同じ思いで見てるから
変わらずにお前の味方だから。

何があっても、
んだけは変わんねぇよ?

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