幾千の夜を越え
葵はモデルの事どう思ってんだ?

「なぁ葵…
それ聞いてどう思ったんだよ?」

俯き加減で盗み見る。

「えっ?どうって…だから…。
慎ちゃんが好きなのは茜なのかなって思ったから私と付き合うのは身代わりなのかなって…。
本当は私に内緒にしてるだけで
二人は付き合ってるのかもって」

もぞもぞと手を動かし
チラチラと俺を見る。

へぇ〜…
一応ショックに思ったのか?

「モデルの件は?」

聞いた瞬間顔から襟元にかけ
桃色に染まっていく。

「ぜ…っぜ…っ…全裸モデル?」

そんなに露骨に照れられると
俺まで照れてきちまう。

「別に葵が想像する程にエロく
ねぇと思うけど…」

俺の返事を受けて葵が叫ぶ。

「想像なんてしてないもん!」

っとにお子さまのままで…
その上躰だけは実りやがるから
始末が悪ぃんだよな。

「葵には特別間近で見せてやる」

制服のシャツのボタンを外す。

「本来商品へのお触りは禁止…
ですが特別お触り頂けますよ?」

はだけた胸元に葵の手を掴み押し当てる。

初めて触れる男の感触に
不思議そうに手を忍ばせる。

「ぅわ〜固い!」

胸板から腹筋へと降りていく手に

「固い固い!」

嬉しそうに連発する単語に

「慎ちゃん凄〜い!」

鎮まっていた躰の熱が再び
集まり出す。

滑り落ちる手に
それ以上は流石にマズイ!

葵の手首を掴む。

キョトンとした顔で見上げる。

「全裸モデルじゃないの?
上だけ?」

葵の意外な発言に
呆気に取られた。

「下も…見たい…の?」

頷く葵に照れくささは感じない。

今の状態で見せられる筈がねぇ。

「だって私の慎ちゃんなのに…。皆が先に慎ちゃんのこと知るのはヤなんだもん…」

可愛い嫉妬まで見せられては。

どうすっかな…。

「俺の全てを知ってんのは葵だろ葵にしか見せねぇ顔も…声も…。葵だけだから他の奴は知らねぇ」

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