幾千の夜を越え
「ご馳走様」

茜が立ち上がって片付ける。

「慎輔…ご馳走様でした」

階上へ向かう茜が意味有り気に
笑った。

はっ?

気持ち悪ぃ奴…。

俺もトットと終わらせっかと、
ハンバーグの皿に手を伸ばす。

俺のメインディッシュ…。

「茜が…」

階段から、

「大切に残しとくと、
横から拐われるってこと」

顔を覗かせた。

「足りないよね?今から焼く?」

葵がキッチンに向かおうとする
手を掴む。

「構わねぇよ…一つは食ったし」

「でも運動してきたから
お腹空いてるんだよね?」

運動ねぇ?

名前も顔も解らねぇ女。
思い出せんのは乳がデカいことと
ケツが上がってたこと…。

あの女も処女だよな?
マジイキしてたけど。

「葵さ、好きな男でも簡単にヤラせんなよ?」

「ふぇ?」

何だか色んな声が混じり合って、

笑えてくる。

「なっ何よ慎ちゃんの意地悪。
笑わないでよ」

膨らませた頬を、
指で挟み空気抜き…

「色気ねぇ〜」

嘘。

俺の胸を押し反そうと、
もがいてる。

「どうせいっ色気とかないもん
慎ちゃんのタイプの巨乳じゃない」

俺巨乳好きなんて言ったか?

「乳デケぇだけの女なんて
男から見れば体目的でしかねぇの
自分の女が他の男に色情されて
気分良い奴なんて居ねぇだろ?」

まっ、無いより有るに越したこたねぇけど…。

「だって慎ちゃんグラビア見てた」

グラビア?
まぁ、見るけど…。

ってか、
何でそれを葵が知ってんの?

「かっ、隠しても知ってる…
エッチな雑誌とか、DVDも」

真っ赤になって顔をそらす

ん〜?

首を捻って考える。

その間も逃げられない様に
葵の手は掴んだまま。

考えられるとしたら、

「俺の部屋行った?」

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