幾千の夜を越え
俺ん家は親が居ないことのが普通

たまにハウスクリーニングが出入りする他
緊急用ってことで、
葵にも合鍵を渡してある。

略一人住まいの俺は、
葵がいつ来ても良いように
女は当然、
男友達さえ上げたことはねぇ。

「違う」

首をブンブン振って、
嘘は吐いてねぇな…。

「じゃあ何?言ってみ?」

まだ目を合わせようとしねぇ

「友達が男の子は皆持ってるって
慎ちゃんも観てるはずって…」

はあ〜ん、成程ね。

余計なこと吹き込みやがって…

「んで、俺の事も汚ねぇって
思ってんの?」

真ん丸くした目で、
漸く合わせた。

何処まで聞いたんだよ?

持ってるだけってこたぁねぇよな
観てるってことも解ってるし…

その後か…
目的…ねぇ

まっ、俺は
んなんで抜かねぇけど。

「健全なヤローなら皆観てんよ?
観てねぇとしても興味深々。
寧ろ興味ねぇって方が病気だろ?
男は女と違って定期的に発散させねぇと頭イカレちまうの」

葵は解ったのか、
眉を寄せて黙り込んでる。

耳年増の女共に、
葵が毒されねぇようにしねぇと…

「他に聞きてぇことあんなら
教えっけど?」

「慎ちゃんもそうゆうの観てる?
観て比べるの?」

観てるけど…。

「比べるって?」

何が聞きてぇの?

「だから…彼女と」

惚れた女の快感に歪む顔より、
惚れた女が快感で喘ぐ声より、
煽るもんなんてねぇだろ?

ってか俺は経験ねぇけど…

「葵も好きな奴居んの?」

んで比べられるの怖がってる?

「慎ちゃんも比べるの?」

よっぽど気にしてんのか?
そこまでの関係になってんのか?

「…平気だろ?
目の前にお前が居んのに、
他の裸思い出す余裕ねぇって」

ってかあるわけねぇだろ?

「ホント?」

安心したのか、
強張ってた顔に色味挿す。

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