【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-
教授は、一瞬険しい表情をしたが、すぐに緩めいつもの笑顔に戻った。
「構いませんよ、それは。じゃあ、その山口寛子さんがどこの学部か調べましょうか?次は空いてますか?」
教授の申し出に、心の中でガッツポーズを決めた。
昨日雫が学部を、聞かなかったことに不自然さを感じながらも、教授の好意に甘えることにした。
しばらく、パソコンのキーボードを叩く音だけが響いた。
「あれ、そんな名前の学生は居ませんねぇ…」
「本当ですか?山口寛子って漢字は」
漢字を説明しようとしたら、教授はそれを遮った。