【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-
「此方は、雫のお友達」
それぞれが自己紹介をしていると、彼は時折落ち着かないように視線を動かしてい。
「雫のこと…ですよね?」
「込み入ったことを聞くつもりは、ありません。でも…俺たちは」
雫を知りたいと言う俺の言葉を遮って、彼は口を開いた。
「僕にお話出来ることは、ありません」
沈黙が流れた。
「どうしてですか?」
宏美さんは、その沈黙を追い払うように口を開いた。
「雫ちゃんは、アナタのように笑いません。それは、きっと苦しい辛い想いをしたからですよね?」