【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-
1枚には、過去に俺らが出会ったいた事実が。
もう1枚には、この事件の全貌が書かれていた。
そう、真犯人石山直樹の名前が書いてあった。
優しい人だと信じていた…だからこそ、何とも言えない絶望感。
全てが狂言で、俺ではなく雫を試すためのものだった。
それでも、彼女がそれに気付いて誰にも言わなかったのは、彼女なりの心遣いと不安があったからだろう。
俺は、雫すべてを包み込んであげたいと、強く思った。
中途半端な優しさがいけないのなら、全力で優しく甘やかせばいいんじゃないか。