【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-
side 明
彼女と出会って1週間、突然忙しくなった学校のおかげで、彼女に連絡をするどころか、事務所にすら顔を出せないでいた。
ま、たいした依頼も無かったみたいだけど。
そもそも、『なんでも屋』なはずのあそこには、依頼は少ない。
あの人が此処を作った理由が、俺にはわからない。
古ぼけたエレベーターで2階へあがる。
他がマンションだからか、2階以外には人の出入りは激しいよう。
住人を誰一人、見たことはないけど。
ガチャ
扉が開く、ということは誰か居るんだろう。
いや…居ないな。
胸騒ぎが確信に変わった。
これは、何かが起きている。
机の上の手紙に気付かずに俺は事務所を飛び出していた。