【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-
エレベーターの横には、清掃中の文字があった。
くそ…っ!
何で、俺の行動を読んでるんだよ!
「あ、あれ違うよ」
きっと、雫自身が言った推理なんだろうが、それを自ら否定した。
「そう言えば納得するかな~と思って」
苦笑いを浮かべた彼女を、涼子は呆然として見ているが葵さんは、わかっていたようだった。
「だから、勘だよ。確かに、エレベーター会社の車は止まって無かったけど、注意深く見てた訳じゃないからね。ただ…何となく…だよ…」
雫は、言葉を濁した。
あえて言わないんだろうと、深く追求することも無かった。