愛してるダーリン -2ed season-
【病室】
うちらは、真莉の周りに座り、たけちゃんは、真莉の右手をずっと握って、俯いていた。
その姿は、うちでも見たことがないくらいの姿で、うちも信ちゃんもなんて、声をかけらええんか、分からへんかった。

しばらくして、翔ちゃんが、先生のところから、戻ってきた。

ガラッ

『翔太』

翔『さっき、由美さんから、電話あって、事情は、説明しといたで…。
なんや、後処理やらで、もう少し、こっちに来るのは、時間がかかるらしいで。
絵里にひとりにして、ごめんって、誤ってはったから、俺らが居るからって、言うといたで…』

絵『…ありがとう、翔ちゃん。
…由美ちゃん、大変やろうな。
今日、ホンマは、2本歌番組の収録あってん』

省『そうやったんか~…。
でも、これは、しゃ~ないやろっ!なっ』

絵『…おん、せやけど、今日の収録は真莉にとっては特別やってん!』

翔『…特別?』

絵『…おん。今回の新曲とカップリングをメドレーで歌う訳やったから…』

省『…カップリングって翔太の…』

絵『そうやねん。
やっと、みんなに披露出来るってむっちゃ、喜んでてん…真莉』

翔『せやけどあいつ、自分で、階段踏み外したんやろ?』

絵『それが、なんで、落ちたんか分からへんねん。
うちと由美ちゃんは、先に階段上がって、ちょっと、先を歩いててん。
真莉の悲鳴が聞こえて、掛け付けたら、踊り場で、真莉が倒れててん…。』

省吾が、絵里を支える。

省『絵里が、掛け付けた時は、別に誰か追ったわけやないんやろ?』

絵『居ったんはスタッフさん3人と、名前が分からんのやけど…。
え~っと、何とか言う女優さん…ん~…あっ!
前にたけちゃんとドラマで、共演しとった…え~っと』

健『!!』

絵『ダメや、思いだせんゴメン』

健『…大島…夕子』

絵『そうそう!その人や!』

翔『…健人?…』
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