愛してるダーリン -2ed season-
真莉は、淡々と話しながら、目を瞑ったままやのに、涙を沢山沢山、流しててん。
絵里も由美さんも最後の健人への思いで、髪を切った事を聞くと、声を殺して、涙を流しとった。
俺らは、真莉の話をただただ、聞くことしか出来んくて何も言葉も出てこんかった。
俺の頭は、真っ白になってた。

先『では、今の真莉さんの希望・のぞみは、なんすか?』

“うちの希望・のぞみ?”

先『はいそうです、真莉さんが、今、希望していることや、望んでいる事です』

“うちが今、希望している事、望んで居ることは、早く、たけちゃんを忘れたい”

この真莉の言葉に耐えられず、絵里は、部屋を出て行った。

“せやから、今のうちの住んでるマンションを引っ越したい。そおしたら、会わなくてすむから、見なくてすむから、思い出さなくてすむから。
うちの記憶から、たけちゃんを消したい、全部全部、消したい。
消さないと、うち、このままじゃ、生きていけないから…“

俺は、どうしようもない気持ちでいっぱいで…。
ただ、今は、真莉の事を1番に考える事しか出来へん。
今は、真莉の思うようにさせてやりたいねん。
このことの真実が違ってても、今だけは、真莉が落ち着くまでは、真莉の思うとおりにさせたりたいねん。
それからでも、遅ないよな。
ホンマの真実を知るんは…。

その日は、全ての診察を終え、真莉も目を覚まして、先生とまた少し話して、先生に挨拶をして、車に向った。
あの催眠を受けて、話した事全て、真莉は、覚えてるらしいねん。
だからなのか、真莉の表情が少し、明るくなった様な気がしてん。
車に乗って、俺は、真莉に話を始めた。
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