最後の恋
「お疲れ~」

披露宴をしたカップルを今日ご宿泊のスイートまで案内して、フロアに戻ると課長が声をかけてくれた。

課長こと、奥田 真比呂(おくだ まひろ)さんは私の上司で、憧れの人。

一回り年が違うけど、昔から知っているせいか、上司というよりお姉ちゃんみたいな感じ。

「お疲れ様です。」

それだけ言うと、ソファーになだれ込む。

本当に今日は疲れた・・。

大安の日曜日。

披露宴が8組。

挙式に、写真に、披露宴・・・。そしてトラブルも・・・。




少し休んで、仕事に戻る・・・。

「そういえば、明日から、新しい営業の人くるわよ・・」

デスク越しに真比呂さんが言う。

「・・・。」

「かなりやり手の男だって。」

そりゃーそうでしょう。

こんな時期にくるくらいなんだから。

「イケメンらしいわよ・・・」

「そうですか・・・」

「ふふっ。あいかわらず、興味ないのね・・・」

「・・・・」

デスクのむこうの真比呂さんは、笑顔で微笑んでた。









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