最後の恋
「話してみろよ。」

「えっ?」

グラスを持ったまま、動かなくなった私に課長が言った。

ビックリして課長の顔を見る。

「何でも良いから、思ってること話せ」

「・・どうして?」

素直に思ったことをいった。

「何が?」

課長が聞く。

「どうして、そう思ったのかなって・・・?」

課長がグラスをテーブルに置いて、壁に寄りかかって私の顔を見た。

「けっこう、わかりやすいんだなって・・・。」

「へっ?」

思ってもいない返答が来て、思いっきり間の抜けた声が出た。

「真野の、表情って結構わかりやすいよ」

課長はそう言ってふっと笑った。

わかりやすい?

私が?

「うん、わかりやすい」

課長がまた表情を読んで言う。

私は何も返せなくなった・・・。

「思ってることあるだろ?ゆっくりでいいから話せ」

「・・・。」

良いのかな?

本当に、話して良いの?





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