きらきら
 
 
 
どどどーなってんの?!
 
 
 
 
「あのせんせ……」
 
 
 
――ガラッ
 
 
 
「先生、倒れた子目ぇ覚ました?」
 
 
 
突然、ドアが開いた。
 
 
 
 
びっくりしてカーテンの端からドアの方を覗くと、
 
 
紛れもなく、
サッカーを楽しそうにやるあの
 
"霧島君"
 
の姿があった。
 
 
 
「あら、霧島君。帰ったんじゃないの?」
 
 
先生もビックリしているようだ。
 
 
 
「ん?あーなんか喉渇いちゃって自販機のとこ行ってた。それに、荷物ここに置いてあるじゃん。」
 
 
 
霧島君が椅子を指さすと、
 
 
「あら!本当。全然気付かなかったわ」
 
 
そう言ってあははは、と先生は笑った。
 
 
マジかいっ!
 
………
先生って、天然?
 
 
 
 
「だはははっ!何だそれっ先生ウケる」
 
 
霧島君はツボにはまったのか、
爆笑していた。
 
 
 
そんなに爆笑するほど
面白いか…?
 
 
 
 
二人の会話を勝手に見ていると、霧島君は私に気が付いたのか、
 
こっちへ向かって来た。
 
間近で見ると、端正な顔立ちや、その顔をさらに映えるようきれいにセットされた髪を見て明美が"学校の王子様"って言うのがよくわかった。
 
 
「おー!お前大丈夫か?」
 
 
 
そう言って彼は優しく私に微笑んだ。
 
 
 
 
ドキ
 
 
 
「あ、あのッ!なななんだかありがとうございましたッ!!」
 
 
そして慌ててペコッと頭を下げた。
 
霧島君の笑顔に動揺して、舌がちゃんと回らなかった。
 
 
 
それに、出てきた言葉がこれって…
 
 
 
なんだか恥ずかしくなってきた。
 
 
 
 
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