きらきら
「……あの、霧島君?」
私がこの沈黙に耐えられず口を開くと、霧島君はガバッと勢いよく顔を上げ、
「俺の名前知ってんの?!」
と驚いた顔して言った。
「う、うん…まあ」
私がそう言うと、霧島君はすごくうれしそうな顔をした。
…だって明美が学校の王子様だから誰も知らない人なんていないって言ってたし、
(私はつい最近まで知らなかったけど…)
そんなに驚くことじゃないよね?
「柴崎さんはもう大丈夫よ。だからそんなところで雑談していないで早く支度して帰りなさい。
保健室、閉めたいから。」
今まで黙っていた先生が、突然口を開いた。
「はいはーい」
元気な声で霧島君は返事をすると、椅子に置いてあった鞄を取りに行った。
私もベットから起き上がり、霧島君に続いて帰り支度を始めた。