きらきら
図書当番
 
 
 
「未央――っ!本当悪いけど、今日の図書当番変わってぇっ!!」
 
「はあっ?!」
 
 
 
明美が目を輝かせて何言い出すかと思ったら…
 
 
 
図書当番変われ?!!
 
 
 
「いーやっ」
 
 
はい、即答で無理です。
今日はせっかくの部活が平日の中で唯一休みの日(音楽室が使えない)。
 
私の貴重な貴重な放課後をっ!
 
 
 
よりによって、誰も来ない図書当番だなんて…
 
 
 
「そこをなんとか〜!今日、マーくんとデートなの。未央の欲しがってた幸甘堂秋限定のパンプキンプリン奢るからさっ!ね?この通りっ!!」
 
 
 
※幸甘堂(こうかんどう:未央のこの世で一番好きな食べ物のプリンが売っているケーキショップ。)
 
 
 
そんなの…っ!!!
 
 
 
 
「やるっ!」
 
に決まっとるしッ
 
 
私、単純なんです。
 
 
「やった!さすが未央♪これ鍵ねぇ。ほいじゃよろしくっまた明日ーっ」
 
 
 
私に鍵を渡すと、明美は足取り軽く笑顔で教室を出ていった。
 
 
 
あ、ちなみに分かったかと思うけどマーくんとは明美の彼氏さん。
 
なにげに中3からの付き合いですごい仲良し。
 
 
 
「い〜なあ…」
 
 
 
そんなことをひとり寂しく呟きながら、私は教室を後にした。
 
 
 
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