Sweet☆プリンセス
花火の明かりで微かに見えるまおが、妙に。
――― 大人びて見える。


浴衣…… だからなのか?


ダメだな、俺。
花火なんかよりもまおが気になってしょうがねーよ。




……… 少しくらい、いいよな?


空いている左手を。
そっと、まおの右手に重ねた。


「――― !!」


「花火見とけよ」



まおに逃げられそうになったが、急いで右手を握った。


まおの手は、本当に温かい。
まおの心が温かいからかもな。


それに、まおの優しい性格は誰からも好かれるタイプ。


その優しさが手を通じて、ゆっくり俺に伝わってくる。


まおといる俺は、どんな時よりも温かい人間になれているような気がするんだ。


だからさっ、まお。


――― ずっと、そばにいてくれないか?


今は『幼なじみ』でいい。

いつか、まおを守れるような男になったら。


――― 彼女になってください……





< 100 / 101 >

この作品をシェア

pagetop