Sweet☆プリンセス
腹の辺りに掛けてやった布団を胸の辺りに抱き寄せて丸まっている。


「まお?」


「ん~、起きる」


本当に起きるんか? 絶対そのまままた寝そうな感じがするのは俺だけか。

イスから腰を上げ、ベットの前に座った。


「まだ寝るか?」


「起きる……」


ふーん、起きるねー。 さっきから全然動いてねーじゃん。
まだ眠いなら寝ていても構わないが…… どうするんだ?


まおの長い髪に指を絡め、ゆっくり頭を撫でてやる。
ほぼ無意識だぞ。 勝手に手が動いてしまった。


こんなんじゃ、いつかまおを襲いそうで怖い。
でも、頭を撫でるのを辞められないんだよな……。


「いっくんって優しいね」


布団に顔を埋めていたまおがチラッと俺を見上げてきた。


「布団とか掛けてくれるもんね」


そんな事、当たり前。
まおは昔っから体が弱かったんだから夏風邪なんて引いたらかわいそうだし。



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