Sweet☆プリンセス

calling.

…… 母さんか。
部屋に入る時くらいノックしろよ。

着替えでもしていたらどうするんだ!


「電話? ありがとうございます」


ひょいっとベットから抜け出してドアの前に立つ母さんの元へ近づいた。

携帯を受け取ったまおは俺に背中を向けて話始めた。


あー、つまらねーの。 イジメる相手がいなくなっちまった。


――― ゴツンッ!


「~~ってー」


いってーな、何すんだよ。

俺は力強く睨み上げた。


「バカ樹。 まおちゃんとさっきまで何やっていたのよっ!」


そう怖い声を出すなって。
一応、まおに聞こえないように小声で話しているっぽいけど? 次第にボリュームが大きくなりそうだから聞こえるぞ。


「樹!」


説明すりゃ、いいんだろ。

ったく、まおがただ昼寝して起きただけなのに、どうしてゲンコツくらわなきゃいけないんだよ。



< 28 / 101 >

この作品をシェア

pagetop