Sweet☆プリンセス
「まおちゃんは乗せるけど…… 樹はどうすっかなー」


このっ、クソジジイ。
まおは俺の…… 彼女って訳じゃないけど、今は幼なじみだ。 なのに、どうして俺を乗せていかねーんだ。

密室で父さんとまおの二人っきりとかあり得ねー。 …… 勘弁してくれよ。


「いっくん、お待たせ」


まおか……。 スカートがふわふわしていてなんだかまおに似ている。


「まおちゃん、おじさんが車出すから乗っていこう」


あーあ、本当はまおとニケツの予定だったんだけどな。
俺の自転車の後ろはまお専用。 今まで誰も乗せた事無いし。


「ありがとうございます。
……… でも、いっくんに連れていってもらいます」


はっ!? 俺がまおの家まで連れていっていいのか? 車の方がラクじゃ無いのか。


「いっくん、行こう」


「あ、あぁ……」


残念だったな、父さん。 せっかく車のエンジンまでつけたけど…… まおは俺が連れていくわ。


ちょっとした、優越感。

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