Sweet☆プリンセス

まおと一緒

「じゃっ、行ってきまーす!」


俺って今、父さんに勝ったんだよな? まおが父さんの車よりショボい自転車を選んだんだよな?

……… ヤベー、嬉しいんっすけど。
顔が緩んでしょーがねーや。


だってさ、これを見ろよ。
しっかり俺の腰に回されるまおの腕。 最初は怖いのか分からないけど慣れてきた頃に、まおが俺の背中にそっと体を預けてくる。


それって、俺の後ろが“安心”出来るって事でいいんだよな?


俺の家からまおの家までは自転車で数分。
あっという間に着いてしまう。


「いっくん、ありがとう。
荷物取ってくるからちょっと座って待っていてね」


麦茶を出してくれるなんて、まおにしては気が利くじゃん。 暑かったからノド渇いたんだよな。


「部屋に“絶対”来ないでよねッ!」


「行かねーよ。 お前の下着になんて興味無いし」


興味無いとか言いながら…… 実は結構気になったり。 だって俺、これでも高校生ですから。



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