Sweet☆プリンセス
母さんと話せばどーせ、このTシャツについて。 今はまおとの時間を過ごしたいから母さんはシカト…… と言うことで。


「はい、これがDVDだよ。 見れる?」


今時、DVDなんてどこでもみれるっつーの。 大人しく座って待ってろ。 すぐに準備してやるから。


なんと言うか…… まおらしいセレクトだよな。 俺と“ラブストーリー”見るだなんて。 おもしろくも何ともない。 下手したら途中で寝てしまうかも。


「いっくん、ありがとう」


でもな、まおが俺を誘ってくれたんだし…… やっぱ、最後まで見るか。


「音、聞こえる?」


「うん、大丈夫」


もう夜も遅い。 父さんと母さんは明日は仕事だから今夜は早く寝るだろう。 邪魔しないように音量は少し小さめ。


床に腰を降ろしているまおの横に俺も座る。
こうやって、無許可でまおの隣に座れるのって、俺の特権だよな。


言っとくけど、父さん、母さん。
頼むから、俺とまおのこの時間だけは邪魔しないでくれよ。


< 49 / 101 >

この作品をシェア

pagetop