Sweet☆プリンセス
もしキスするなら、俺のファーストキスは“まお”になるのか。


今日まで誰とも付き合った事も無かった。
手を繋ぐ…… と言っても、フォークダンスで繋いだ位。 それ以外は無し。


俺の初めては、全部“まお”になるのかもな……。


* * *


「あー、おもしろかった」


終わってんじゃん。 隣にまおがいたせいか、全然集中出来なかった。 画面にはエンドロールが流れている。


どんな話だったか全然覚えてねーよ。 最後はハッピーエンドだったのか?


「……… なんだよ」


俺たちの間には枕一つ分の間が開いていた。 まあ、俺がまおに近付き過ぎないように…… 手を出さないようにって、開けたスペースだったんだけど。


どーして、そこを詰めてくるんだ!



――― ドキッ ドキッ ドキッ。


ほらみろ。 動く度にまおの匂いが強くなって、心臓が悲鳴あげてるじゃん。 壊れそうなんですけど。


どーしてくれるんだ!



「今日は“泊まっていい”って言ってくれてありがとう。
…… じゃあね、お休み!」


恥ずかしかったのか、俺と目も合わせずに言うだけ言って、片付けもせずに俺の部屋に飛び込んでいった。


……… 可愛い爆弾、落とすなよ。
今夜は、ドキドキして寝れねーよ。



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