Sweet☆プリンセス
そんな時、ふと目に止まった。


――― 『難聴の本』


まおの難聴を知って、三ヶ月経った。
それなりに体調は良いみたいだが……

一時は具合が悪い日が何日が続いたみたいだけど。
その中でも頑張っていたみたいだし……



『難聴とは……』


そんな事から始まる。


まおの難聴を知って難聴を調べなかった訳じゃないけど。
どうも、こうやって歩いていても『難聴』という言葉に目が止まってしまう。


「ダメだな……」


まおが毎日元気にやっているのに、俺が少し弱気になっている。


――― まおの耳が本当に聞こえなくなったら。


たまにそんな事を考えてしまう。


どうにかして直してやりたい。


そう、思うけど。
正直…… 俺には何もしてやる事はできないんだ。


まおが元気になるなら何でもしてやりたい。


宿題以外はな。





< 73 / 101 >

この作品をシェア

pagetop