Sweet☆プリンセス
まだ父さんと母さんは仕事だな。


俺は風呂場のゴミはそのままにして、自分の部屋に戻った。


なんだかなー、一日中自転車を漕いだせいか。 疲れた。


普段のバイト以上だな……



まだ夕飯まで時間があるし…… ちょい、休まして。


床に荷物を放り投げ、ベットに倒れ込んだ。


――― クシャッ。


クシャッ?


今…… 紙が潰れるような音がしたよな。


枕に埋まっている顔を上げ、辺りを確認。


「――― ??」


なんだ、これ。
枕の下に紙切れを見つけた。



『いっくんへ

ベット貸してくれてありがとう。
よく、眠れたよ。
いっくんって、寝顔が赤ちゃんそっくりで、かわいかった!

夏風邪引かないように気を付けてね! まお』


こんなこと、口で言えばいいのに。


こういうのって、まおらしいと言えばまおらしいな。


自然と顔が緩むのが自分でも、分かる。


夏風邪、か……


「まおに言われたくないっつーのッ」






fin.

< 83 / 101 >

この作品をシェア

pagetop