Sweet☆プリンセス

かき氷

「いっくん、美味しい!」


「それはよかった」


まお希望のたこ焼きを買って適当に歩き、人が少ない所を見つけ、まおと立ち止まった。


パックに入ったたこ焼きを旨そうに食う姿は、まさに小学生。



「後で“かき氷”も買いに行こうね!」


「はいはい」


メインは『花火大会』だが、出店が妙に賑わっている。


花火を集中して見るやつなんていないんじゃないか?


俺の前で食っている『こいつ』もその一部のような感じがする。


食うのに必死だもんな。
パクパクと口にたこ焼きが運び込まれていく。


その時、スッとまおの手が伸びてきた。


――― ??


これはどう言う意味があるんだ?


「食べないの?」


「食って、いいのか?」


つまようじに刺さったたこ焼きを俺の前に向けてきた。

最後の一個だろ?
それを俺が食っていいんか?


「あげる」


大きい目を細めて口を大きく開けてきた。


「あーん」


「……… あーん」





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