Sweet☆プリンセス
――― ヒュ~、ドーーンッ!



「始まったね」


「……… そうだな」


やっと始まったか。
回りのやつらも自然と首は上を向く。


俺の隣にいるまおもそうだ。



「うわー、スゴい! スゴい!」

「キレー」


小さなまおの声だけど、捉えた。


こんな小さい花火大会だそ?
もっと大きい祭りとかいいんじゃないか?



「まお、楽しいか?」


まおに楽しんでもらえなかったら意味がない。


「うん、楽しい」


まあ、一応。
楽しんでいるっぽいから良いだろう……


――― ヒュ~、ドーーン。


夜空に咲く大輪。


まおとこうして見れるなんてな。


――― キセキ、みたいだ。



「いっくん、今日はありがとね」


まおはずっと、花火を見上げたまま。


「今日は楽しかったからね」


恥ずかしいのか、俺の方を一切向いてこない。


まおらしいがな。





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